風間歯科医院

おやつに含まれる砂糖の量

当院では、広範囲の虫歯や歯槽膿漏に悩む患者さんに、どのぐらい甘い物を食べているか問診をしています。
お菓子に含まれる砂糖の量の表をもとにして、患者さんの1日の平均的な量を算出します。
特に歯垢(プラーク)の多い患者さんほど、甘いものを食べているようです。
ブラッシングが十分でなく、砂糖を過剰に摂取している人の口の中では、常在菌である虫歯菌たちがネバネバした物質を出して歯の表面に付着をします。これが歯垢(プラーク)です。歯垢(プラーク)は食べ物のカスではなく虫歯菌の塊なのです。この虫歯菌たちが糖分を分解して酸を作り出します。この酸が歯を溶かして、虫歯を引き起こすのです。しかし厄介なことに歯垢(プラーク)は歯のようなつるつるした表面に対しても強い粘着性があるために、ウガイをしただけでは歯から取り除くことができません。特に歯垢(プラーク)が溜まりやすい奥歯や歯の間、歯茎と歯の境目などを意識して、歯ブラシや歯間ブラシでしっかり歯磨きをして、歯から歯垢(プラーク)を取り除くことが重要なのです。
このような砂糖を過剰に摂取していて歯垢(プラーク)の多い患者さんは、歯磨き指導してもあまりきれいに磨けていないことが多いですし、虫歯の再発防止を目指そうとするにも前途多難な状況なのです。
ところが、その患者さんの砂糖の1日の摂取量が平均的な量よりもどのぐらい多いかということを自覚して、甘いものを節制するようになると、 私たち歯科医師・歯科衛生士が驚くほど口の中はきれいになって、患者さんが自覚している症状も消失していきます。
患者さんがこの甘味制限を持続すれば、歯に歯垢(プラーク)が付きにくくなり、長期的に安定した予後が期待できるようになるのです。

WHOの勧告では1日の糖質の摂取量は25グラムです。
食事の事はさておいて、甘いものはいくら食べてもいいと言うようなスイーツグルメのテレビ番組は多いものです。
お菓子には、心が慰められますが、とりあえず1日のおやつの砂糖の量をl0g~20gに目標にしましよう。
あなたの1日のおやつの砂糖の量を、下の表から推測してみてくださいね。


※1 マックシェイク、スタバ、ハーゲンダッツなど欧米のものは糖分がかなり多いです。
(参考までにハーゲンダッツ1カップに糖分70g)

糖分は1g=4kcal、10g=40kcal、100g=400kcalです。
お菓子の中の糖分だけのカロリーです。
運動量に換算すると、30歳女性体重45キログラムの場合、30分のウォーキングで50kcal、30分のジョギングで200kcalです。

当院の臨床実感では、歯科治療に訪れる人で粘着性の歯垢(プラーク)がある人は、食事以外に1日50g以上の砂糖が含まれる食品を食べているのではないかと感じています。
虫歯の進行が速い人は週の単位で虫歯の穴が大きくなっていきます。
何万年も前の動物の歯の化石が、条件が良ければ原形を留めた立派な形で発掘されるのに、人間の歯は虫歯で急速に溶けてしまうのです。虫歯というのは、恐ろしい疾患だと思います。
虫歯は、砂糖の過剰摂取で引き起こされる疾患の中で、糖尿病とともに最も重大なものです。
砂糖を摂りすぎることの弊害には、ビタミンB群、力ルシウム不足からくる症状(うつ病、冷え性、骨粗しょう症)、老化、砂糖依存症等があります。
「わかっちやいるけどやめられない!」
その気持ちはとてもよくわかります。

しかし、心を鬼にして、WHOの勧告25gを目標として、節度ある食生活を守るべきです。
尚、キシリトール入りガムを積極的に噛む人がいますが、虫歯に対する作用については、商業的な側面が重視されており、注意が必要です。

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