歯の白さや歯並びといった、美しさに焦点を当てた歯科医療全体を指す言葉が審美歯科です。現代の歯科治療では、歯の機能を修復するだけにとどまらず「銀歯が目立って気になる」、「きれいな歯で笑顔に自信を持ちたい」というさまざまな悩みに対応した新しい素材や治療方法が登場し、審美歯科は「歯の美容整形」とも言われています。
機能が前提の審美治療
ただし、きれいに見せるためだけに、健康な歯を削ったり抜いたりすることは、あまりお勧めできません。どんなに美しい人工物であっても、天然の歯に勝るものはありません。そのため当院では、審美歯科においても、できる限り患者様の歯を残すことを念頭において取り組んでいます。
歯科治療は、咀しゃく力(噛む力)の高さや長持ちするという機能性はもちろん大切ですが、見た目の美しさも軽視することはできません。重要なのは、全体のトータルバランスです。当院では、機能性だけでも、白さだけでもない「トータル美」を目指して、患者様に最適な治療をご提案しています。
本当の審美は奥歯から始まります
「歯の見た目の美しさ」というと、歯は前歯を中心とした前方の歯が目立ちますが、前歯をきれいに整えるには、実は「奥歯がしっかり整っていること」が大切なのです。奥歯が低くなると前歯の噛み合わせが深くなり過ぎてしまいます。ところが奥歯を正常な位置に調整すると、前歯も正常な位置になるのです。
また、奥歯がしっかりしていないと、顎関節症の原因となってしまうため、歯の先端と歯根を結んだ歯軸方向に噛む力が伝わるように、「土台」となる奥歯を整えることは極めて重要です。これらの理由から、前歯を治療するときでも、実は奥歯にも注意が必要なのです。
ただし、奥歯から全体を持ち上げるには、時間や費用もかかります。前歯だけの審美治療のはずが、矯正を含めた全体の治療が必要になることもありますが、場合によっては奥歯の高さは変えずに調整していくケースもあります。患者様のご希望に沿ってケースバイケースで対応しますので、遠慮なくご希望をお聞かせください。